DNP
ディー・ティー・ファインエレクトロニクス株式会社

フォトマスクの種類

フォトマスクは用途に応じて複数の種類があります。ここでは一部を紹介します。

フォトマスクの種類

バイナリーマスク(Cr膜)

このマスクの原板は、透明な石英ガラスが使用されており、これに光を遮断するクロム(Cr)膜で回路パターンが描かれています。光が透過するガラス部と、透過しないCr膜部の2値のみのためバイナリーマスクと呼ばれています。パターンの半導体ウエハーへの転写では、ガラス部を透過した光の回折などにより、微細な回路パターンへの適用は限界があるため、フォトマスク上700nm程度以上のデザインルールに使用されます。

ハーフトーンマスク(KrF線用膜、ArF線用膜)

このマスクの原板も透明な石英ガラスが使用されていますが、光の透過率と位相がコントロールされた位相シフト膜で回路パターンが描かれています。ハーフトーンマスクはバイナリーマスクとは異なり、光を透過するガラス部とわずかな透過率(数%程度)で位相を180度反転させる膜でパターンが描かれているため位相シフトマスクとも呼ばれています。パターンを半導体ウエハーへ転写する場合、ガラス部と、位相が入れ替わった光との光干渉効果を用いてパターン解像力を向上させる特徴があります。半導体製造工程で用いられる露光装置の光の波長(KrF線:248nm、ArF線:193nm)により、位相シフト膜は、KrF線用膜/ArF線用膜とに使い分けられます。

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